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 システム開発が頓挫した場合のユーザとベンダの紛争には、「屈曲点」とでも言うべきものがあります。ある段階までは本格的な紛争になりにくく、ある段階を超えると極めて熾烈な紛争になる、ということです。

 本格的な紛争になりにくい方の理由は、容易に分かります。ひとたび開発に入ってしまうと、ユーザとベンダは互いの肝を握り合うような関係となるからです。ユーザは何としても期限までに望むシステムを手に入れなければならず、そのためには少々妥協しても開発を継続するしかありません。ベンダも、多大の労務を先行投入してしまった以上、何としてもこれを回収しなければならず、そのためには少々妥協しても開発を継続するしかありません。ここで奇妙な均衡が出来上がり、紛争化は先送りにされます。実際、開発プロジェクトの7割は失敗であるなどという説もあるにも拘らず、裁判にまで至る紛争は数えるほどしかありません。ただし、この点が重要なのですが、納期が絶対的である場合や、ベンダが中間金を得ている場合などでは、均衡は崩れ、紛争化が早まる場合があります。
 熾烈な紛争になる方の理由は、あまり注目されることはないようですが、これもある意味当たり前だからかも知れません。紛争の「幅」が極めて大きいためです。これは、例えば、マンションに欠陥があって契約が解除されるという場合と、システムに欠陥があって契約が解除されるという場合を比較してみれば明らかです。マンションの方は、仮に契約が解除されても、売主の方に(欠陥はあるとしても)マンションが残ります。代金が返還されれば、買主側にもそれ以上大きな損害が残るわけではありません。ところが、システムの場合、解除されたベンダのもとに残るシステムは、ユーザに固有のカスタム品であって通常まったくの無価値です。しかも、多くの場合、想定以上に膨れ上がった開発費用の負担がまるまる残ります。他方、ユーザも、たとえ代金が返還されても、既に多大の労力を(そのシステム以外には役に立てられない形で)費やしてしまっています。実際、システム開発がらみの裁判例をみると、反訴提起されているものが非常に多いことに気づきます。
 紛争の見立てを行う場合、こうした点を十分考慮に入れておく必要があります。

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author : ITS 

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