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author : ITS 

 システム開発委託契約は、一応は、民法上の典型契約である請負の類型に入るものと考えられています。しかし、請負そのものではありません。その最大の違いは、発注者であるユーザが、オーダーメイド・システムの開発に必要な情報を提供するなどの「ユーザ責任」を負っている点にあります。このような「ユーザ責任」は、裁判例にも「協力義務」として表れるなど認知が進んでおり、経産省のモデル契約でも強調されているところです。このような義務は、事の性質上、取り立てて言うまでもなく存在するはずのものですが、あえてこれを強調しなければならないのは、ベンダへの開発の「丸投げ」が横行しているからでしょう。

 この「ベンダにお任せ」というユーザの第三者的姿勢は、なかなか根強いものがあるようです。かつて、A社の基幹システム再構築のプロジェクトに関与したときのことです。プロジェクト名を仮に「ロペス」としましょう(最後の「ス」は、もちろん「system」の「s」です。)。これは、A社の副社長をプロジェクト・リーダとする、れっきとした「A社の、A社による、A社のための」プロジェクトです。ところが、当のA社の管理職の面々は(自らもシステム化委員会のメンバーとしてプロジェクトに関わっているはずなのですが)、当事者意識どころか、プロジェクトの存在すら良くご存じではないようでした。とうとう、ある会議の席上でこんな発言が飛び出しました。曰く、「そういった面倒な問題は、ロペスさんの方でお願いしますよ。」自分達が関与している(関与させられている)訳の分からないプロジェクトは、「外部のベンダのプロジェクト」であって、(ちょっと人名のような感じのする)「ロペス」をそのベンダの社名とでも勘違いしたようなのです。このA社が自ら望むシステムを手に入れるのは、困難と言わざるを得ません。
 ただ、ベンダ側も、システム開発の専門家として、ユーザをしっかりコントロールすることが求められます。ユーザが要求仕様を明らかにしなかったために、出来上がったシステムがユーザの業務に使えなかった場合、ユーザの協力義務違反だけでなく、ベンダのプロジェクトマネジメント義務違反が問われます。ある裁判例は、これについて「注文者である原告のシステム開発へのかかわりについても、適切に管理し、システム開発について専門的知識を有しない原告によって開発作業を阻害する行為がされることのないよう原告に働きかける義務」とまで言っています。裁判において、専門家の責任は意外なほど重いのです。

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